ねぇねぇ、聞いて。
花は茎のほうから撮ったり、砂のお城は下から撮ったり、俺が買ってあげたかき氷は空に向けて撮ったり。


一つ一つの写真から楽しいって伝わってくる。


その写真を送ってくれるから、俺はまたここに案内しよう、これを見せようとかって思う。


俺は新しく〈仁華〉というフォルダを作って、仁華が送ってきた写真を登録した。


全部で256枚。


この夏休みでこの数は凄い・・・・・・


でも、写真の数が仁華の嬉しさを表しているのならそれは嬉しいことだ。


・・・・・・・・・・仁華。


この夏休みが終わったら、仁華は帰るんだろうか?


そりゃ、帰るよな。


あー、寂しくなるな。


もう、あと半分しかないもんな。


寂しいって気持ちもあるけど、あっちに帰ったらまたいじめが始まるんじゃないかって気持ちもある。


もう、・・・・・・仁華に悲しい思いをして欲しくない。


本当は、本当は、ここにいればいいって言いたい。


でもそれは仁華とってダメなことなんだろうか。

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