ねぇねぇ、聞いて。
あっちに戻っても、この景色を覚えておきたい。


私にとって大切な場所だから。


大好きな場所だから。


「じゃあ、そろそろ話してくれる?」


「え?なにが?」


「朝。何かあったんでしょ?」


「な、んで?分かるの?」


「何日一緒にいると思ってんの?ほぼ毎日だよ?そんなん気づくわ。」


そう言って笑う律希。


律希がそんなに私のことを見ていてくれたなんて思わなかったから、ちょっと感動した。


「・・・・・・・きっと、言ったらくだらないって思うよ?」


「思わないよ。」


「・・・・・・・そんなこと?って思うよ?」


「思わない。」


「・・・・・・・きっと、ダメだって言うよ?」


「仁華が言って欲しくないなら言わないよ。っていうか、聞いてみなきゃ分からないよ?」


「・・・・・・うん。そうだね。・・・・・実は、朝にお母さんからメールが来たの。ここの生活に慣れたかって。・・・・・それと、もう少しで夏休み終わるけど楽しんでねって。」

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