ねぇねぇ、聞いて。
「俺、・・・・・・今最高に嬉しい。」


ちょっとだけ照れた律希。


「・・・・うん。私も好きだよ。でも、」


「でも?」


「私は帰らなきゃいけない。でしょ?それが、悲しい。せっかく、こんなに近くに律希がいるのに。」


私は今度は泣かないようにしようと律希の肩に自分の頭を乗せた。


「仁華。・・・・・こっち見て?」


抱きしめられた状態なのに、恥ずかしいんだけど。


律希はそっと私の背中から腕を取った。


私は律希から下りた。


すると律希は自分の隣をポンポンと叩いた。


「・・・・・寝ろってこと?」


「そういうこと。」


私は律希の隣に座って、そのまま横になる。


パッと律希の方を見ると、同じ目線に律希がいて、今までで一番緊張する。


「仁華。仁華だけじゃないよ?帰って欲しくないの。」


「え?」


「俺だって、仁華に帰って欲しくない。だから、仁華がどうしても帰りたくないなら、ちゃんとその気持ちをお母さんに言わなきゃ。」


「・・・・・そうだね。でも、」


「大丈夫。俺がいるでしょ?あん時は、仁華が助けてくれたから次は俺の番。・・・・仁華のこと、助けたい。」



なによりも嬉しい言葉。


「ありがとう。律希。」


「うん。・・・・はぁーーー!だって俺、仁華の彼氏だもん!!」


!?


急に言うからびっくりして、私は起き上がる。


「え?俺は仁華の彼氏でしょ?」


そう言ってニヤッと笑う律希は意地悪だ。


本当は分かってるくせに。


「・・・・そうだよ。私が、律希の彼女だよ。」


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