ねぇねぇ、聞いて。
「まぁ、お父さんが可愛そうだからこのくらいにしてあげるけど。お父さんはそんな過去を知られたくないから、私には頭があがらないのよ。律希に怒っても、私に怒ることは無かったでしょ？つまり、お父さんは私に弱みを握られてるわけ。」


初めて知った二人の関係。


なんか、知っていいことだったのかよく分からないけど。


でも、なんか安心した。


お父さんも普通の人間なんだなーって。


「あぁーーー。律希、あのー、そのー、今のは、」


「言わないよ。誰にも。・・・・・・お父さんと同じだったってことにしておくわ。」


俺がそう言うとお父さんがホットしたように笑った。


お母さんも嬉しそうに笑った。


「律希。その子、大事にしなよ？」


「うん。もちろん。」


「律希。相手にとって、自分にとって、何が後悔しないのか考えろよ？」


「うん。分かってる。」


俺が、仁華に出来ること。


お互いが後悔しないこと。


仁華のために、・・・・・・何が出来るのか。


もう、俺の中では決まった。



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