ねぇねぇ、聞いて。
「よっ。今、大丈夫か?」


「あっ、うん。大丈夫だよ。」


ぎごちない会話。


すると律希が笑い出した。


「ぎごちなっ!・・・今まで通り普通にしようぜ。」


「・・・・うん。そうだね!」


「えっとー、じゃあ、テラスでいい?」


「うん。いいよー。」


テラスに行って向かい合わせで座る。


「それで、話って?」


私が聞くと律希は私を真っ直ぐ見た。


「仁華、お母さんに話した?」


「うん。今さっき。」


「なんて言ってた?」


「・・・・・一度帰ってから決めようって。」


「そっか。」


律希は、なんて言うかな?


行くなって言ってくれる?


ここに居ろって言ってくれる?


「仁華、・・・・・・一度帰ったほうがいい。」



「・・・・・え?」


律希から出た言葉は予想はずれ。


なんで?


「どうして?帰った方がいいっていうの?律希は、・・・・・悲しくないの?私は、私は律希と離れたくない。あんな場所に帰りたくない。」


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