ねぇねぇ、聞いて。
律希なら分かってくれると思ってた。


なのに、


「俺だって考えた。・・・・・・・ここにいて欲しい。でも、仁華。このままここにいるのはきっと後悔する。だから、全部片付けてきてよ。」


「・・・・・・・・・片付け?」


「いじめられるかもしれない。また、髪切られるかもしれない。その思い出を辛いままにして欲しくない。・・・・・・言ってる意味分かる?」


「全然、・・・・・・・わかんない。」


私はじっと律希の顔を見る。


「・・・・・・・いじめてきた奴らにガツンと言ってこいって意味。言いたいこと言って、親からも了承貰って、ここに来てよ。俺はここで、ずっと待ってるから。」


「・・・・・・・・・・・嘘だ。ずっとなんて、そんな約束嘘。」


日が経てばみんな変わる。


いい意味にも、悪い意味にも。


律希とこのままの関係でいたい。


一人であっちに戻るのは怖い。


また、同じことがあったら?


ボロボロに、傷ついて、何もかもどうにでもなれって思っちゃって、大事なもの失って。


「仁華!!」


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