ねぇねぇ、聞いて。
するとお父さんの隣にいたお母さんが大きなため息をついた。


「はぁーーーーー。仕方ないわね。・・・・いいわよ。ただし、ちゃんと、学校に行ってからよ。分かった?」


「うん。ありがとう。お母さん。」


良かった。


分かってもらえた。


そしたら明日、言わなきゃ。


学校で。







次の日。


一ヶ月ぶりに制服に手を通す。


学校に行くのにこんなに緊張するなんて思いもしなかった。


大事なものが増えたから、少し弱くなったのかもしれない。


今までなら自分さえ傷つけばいいとおもってたから。


「よし、・・・・・行こう。」


鏡の前で確認して、リビングに行く。


「おはよう。仁華。」


「おはよう。お母さん。」


「最初に職員室に寄って、転校すること伝えるのよ。」


「えっ!?」


「だって、あっちに行くのはそういうことでしょ?何驚いてるのよ。」


「でも、新しい学校見つかったの?」


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