ねぇねぇ、聞いて。
「それから先生。いじめられている生徒を見て見ぬ振りなんて、最悪ですね。もし、もう無いと思いますがいじめられている生徒を見たら今度は助けてください。それじゃ。」


それだけ言って私は教室を出た。


順番を間違ったけど、職員室に行かなきゃ。


私が階段を降りようとした時、上から私を呼ぶ声が聞こえた。


「仁華ちゃん!」


走って来たのは、私が助けた女の子。


「なに?」


「あの、・・・・・・ごめんなさい。それと、・・・・・助けてくれてありがとう。」


女の子はそう言って頭を下げた。


「そう。・・・・・・じゃあね。」


それだけ言って階段を降りる。


いじめてきた人に私はそんなに優しくないから。


伝わった・・・・・・・って思っていいのかな?


でも、もう何も心残りはない。


言いたいことを自分で言えた。


私は職員室に入って、転入の手続きをした。


そして、真っ直ぐ家に帰る。


その途中で律希に電話しようとスマホを取り出した。


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