ねぇねぇ、聞いて。
「私の髪まだ綺麗?」


お兄ちゃんは覚えているかな。


「・・・・・うん。綺麗だよ。仁華の誇りにしていいと思うぞ?」


そう言って笑った。


「・・・・・・・そっか。ありがとう。お兄ちゃん。」


「どういたしまして。・・・・・仁華、笑ってろよ?」


お兄ちゃんは真っ直ぐ私を見て言った。


「うん。お兄ちゃんもね!!」


大丈夫。


私はひとつ前に進んだんだから。


怖いことがあってもひとつ飛び超えれば全然大したことないこと、私はもう知ってる。


誰かがいれば素直になれること、飛び越えられない壁も飛び越えられること、私は知ってる。


それを私に教えてくれる人がいる。


周りを見れば私を大切に思ってくれてる人はたくさんいた。


その人たちを大事に思う気持ちに気づいた。


私はそれを大事にしたい。


さあ、行こう。


あなたの元へ。


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