ねぇねぇ、聞いて。
私はこくこく頷いた。


「じゃあ見やすいようにもう少し前に行こ。」



そう言われて海の近くまで来た。


「あっ、汚れるからこれ敷いて。」


そう言って自分のティシャツを渡す律希。


私はノートに汚れるよ?って書いたけど、


「大丈夫だよ。気にしなくて。俺がサーフィン見ないって誘ったんだから。」


私はお言葉に甘えて使うことにした。


「じゃあこっから見てろよ。」



そう言って勢いよく海に向かって走り出した。


そして手で海をかき分けて、波が来るのを待つ。


すると、ちょっと高めの波が来た。


律希はすかさずボードに乗って、タイミング良く立ち上がった。


そしてそのまま波に合わせてボードを使いこなしている。


楽しそうだし、何より凄い。


波の間を通り抜けるなんて、テレビでしか見たことない。


でも、それを軽々やっちゃう律希は凄いと思った。


私は思わず拍手していた。


3回くらい乗ると律希はボードを抱えて戻ってきた。

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