ねぇねぇ、聞いて。
私は首を横に振った。


違うよ。それは違う。律希だから話せたんだよ。私、今ね、友達律希しかいないんだよ。だから、それだけでも嬉しいの。謝らないで。



「・・・・・・・ありがとう。仁華。俺、ずっと遊びっぱなしで誰の役にもたったことなかったんだ。でも、俺が仁華の声を出せるように頑張りたいって思うんだ。それは、間違ってる?」


私はまた首を横に振った。


「そっか。じゃあ、もっと色んな事やってみないとな。・・・・・・なんの根拠もないけど、大丈夫だよ。ここで仁華をいじめる奴はいないから。俺に、ついてきてよ。」


ありがとう。私ね、律希のこと信じたい。もう一度、人を信じられるようになりたい。


ノートを見せた瞬間、私は律希に腕を引っ張られた。


私は何が起きたのか分からなくて固まる。


「ごめん。本当は怖いんだよな?人に、触られること。でもさ、・・・・・俺は大丈夫だよ。大丈夫だよ、仁華。」


私は、


そっと律希の背中に手を回した。


あっ、


本当だ。


大丈夫。


怖くない。


怖くない。


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