ねぇねぇ、聞いて。
私は律希の裾を引っ張った。


怖くない。


今は口パクだけど、いつか私の声で伝えたい。


律希は笑って頭をぽんぽんと撫でてくれた。


「よし、じゃあそろそろ帰るかー!腹減ったなー。」


毎日律希と過ごせるのは楽しいけど、そろそろ学校の課題やらないと終わらない。


私はノートに宿題やらないと終わらないよね?と書いた。


すると律希は急にそっぽを向いて歩き出した。


え!?


私は律希を引っ張ってノートを見せた。


宿題、やらないつもりでしょ!?この不良さん!!


「なっ!?不良じゃねーよ!!あーもう!なんで宿題なんてやらなきゃいけねーんだよ!苦手なんだよー。勉強とかー。」


騒ぎまくる律希を見て、私はいいことを思いついた。


ねぇ、私と一緒に宿題やっちゃお!!
教えるから!!


「マジ!?うぉーーー!マジで助かる!!お願いします!仁華様ー!!」


喜んで飛び跳ねる律希が面白くて、なんかおかしくなってきた。


じゃあ、私の家行く?おばあちゃんの家なんだけど。


「うん。行く!!とりあえず、今日は宿題ないから明日からな。今日はお邪魔するだけにするわ。」


私はこくこく頷いた。


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