ねぇねぇ、聞いて。
おばあちゃんが「ちょっと待ってて。」と言って奥の部屋に行く。


そして、綺麗な紺色の浴衣を持ってきた。


私はノートを見せながら綺麗!!と書くとおばあちゃんは喜んでいた。


「良かったら着る?おばあちゃんが着付けしてあげるよ。」


私は思いっきり頷く。


「じゃあ、今日の5時にここでいい?俺も着替えてくるから。」


何で行くの?


「歩いてだけど、浴衣だと辛い?」


私は大丈夫だと首を横に振った。


「そっか。じゃあ、そういうことで!あっ、じゃあ俺1回家に帰るな。」


そう言って律希が1度家に帰った。


「仁華。じゃあ、先にご飯食べて浴衣着る準備しよっか?」


私はお昼ご飯の手伝いをして、後片付けを手伝った。


やっぱりいつも通りおばあちゃんのご飯は美味しい。


「じゃあ、最初に髪結ってあげるから、そこに座って。」


おばあちゃんはテーブルの上に鏡を置くと、花の髪飾りやヘアピンを並べる。


これ全部お母さんの?


ノートを見せると、


「そうだよ。でも、お母さんは外に出るのが嫌いだったからね。あんまり使わなくて。でも、お祭りの日は私が髪を結ってあげたのよ。」



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