ねぇねぇ、聞いて。
おばあちゃんって本当に何でもできるね。


「あら?本当?嬉しいこと言うわねー。さぁ、ここに座って。」


私が椅子に座るとおばあちゃんが優しく髪をとかす。


おばあちゃんの優しい手がちょっとくすぐったかった。


「仁華の髪はお母さんと違って柔らかいわね。綺麗な髪よ。」


おばあちゃんが笑って言った。


私は嬉しくてノートにありがとうと書いた。


この前、律希に髪のことと、いじめのことを話してからだんだんと人に触れられるのも慣れてきたし、やっぱり髪綺麗って言われると嬉しい。


私の自慢だから。


髪が長い方が絶対結いやすいのに、おばあちゃんは器用に三つ編みをつくっていく。


私はおばあちゃんに紙を見せた。


髪短くてやりにくくない?


するとおばあちゃんはニコッと笑った。


「短くても綺麗に結えるよ。大丈夫。こんな綺麗な髪なんだから、短くても自信持っていいのよ。おばあちゃんが仁華に合う髪型にしてあげるから。」

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