ねぇねぇ、聞いて。
そしてテーブルの上にあった紙が目に入った。


私が手に取るとお母さんが私のそばに来た。


「仁華。・・・・・・・お母さんと、お父さん考えたんだけど、夏休みの間、おばあちゃんの家に行かない?」


おばあちゃん?


私はバッグからノートを取り出して、おばあちゃん?と書いた。


「そう。お母さんの方のね。田舎で何にもないんだけど、・・・・・・・・・仁華のこと話したらね、夏休みの間来ないかって言われて。せっかくの夏休みだけど、1度環境を変えるのもいいのかなって。」


お母さんは悲しそうに笑った。


あぁ、またその顔。


私は、悲しませることしか出来ない。


すると、お母さんは私の髪に気づいたのか私の頭を撫でる。


「・・・・・・仁華?・・・・・・・どうかな?」


もう、友達もいないし。


学校もないし。


宿題できる場所があればどこでもいいし。


私はノートにいいよ。行く。と書いた。


お母さんは優しく微笑んだ。


「・・・・・分かった。おばあちゃんに言っておくわね。着替えて、ご飯にしましょ?」


私は頷いた。


そして自分の部屋に入って鏡の前に立つ。


どんどん短くなる髪。


今回はそんなに派手に切られてないから目立たないけど。

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