ねぇねぇ、聞いて。
私に?


ノートに書いてみせるとおばあちゃんは頷いた。


「そう。そのネックレスはおじいちゃんの手作り。まぁー、どうしても仁華にサーフィンやらせたかったのよ。だからそれは仁華にあげるわ。」


私はそっとネックレスを手に取って、自分の首につける。


おばあちゃんに見せると、


「似合ってるわよ。おじいちゃんも喜んでる。・・・・さぁ、浴衣に着替えましょ。」


おばあちゃんは手際良く私に浴衣を着せていく。


たった10分で浴衣の着付けが終わった。


「さぁ、出来たわ。鏡の前に立って。」


鏡の前に立つと、いつもとは違う私の姿。


別人みたい。


「うん。似合ってるわよ。そうだ!記念に写真撮ってあげるわ。」


カメラを持ってきたおばあちゃんが窓際に立つように言う。


恥ずかしかったけど、せっかくだしと思って撮ってもらった。


「うん。綺麗よ、仁華。楽しんでらっしゃい。」


私は頷いた。


楽しみ。


時間が経つのが遅いって思うのも、待ち遠しいって思うのも久しぶり。


なんか、ここに来てから今までの私から抜け出して変われたような感じになる。


< 51 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop