ねぇねぇ、聞いて。
ただ、それだけ言ってまた花火を見る律希。


未来を決、められない?



それは、どういうこと?


私には何のことか分からなかった。


考えていると律希は私の肩をぽんぽんと叩いて、


「そんなに考えなくていいよ。仁華は気にしなくていいよ。」


って言った。



気にしなくていいよっていうのに、笑えてないし、目に力がない。


そんなの、無理に決まってる。



こんな顔をする人、ほっとけるわけない。


私はノートを見せながら書き出した。


そんなの無理だよ。だって、・・・友達なんでしょ?友達って、お互いを助け合うものじゃないの?違う?


「友達だって、助け合えないこともあるよ?、、、、仕方ないよ。」



らしくない言葉に私のほうが酷く落ち込む。


でも、そんなの言ってくれないと分からないじゃん。ねぇ、律希。1人で抱え込まないでよ。


「・・・・・・・・・・じゃあ、家に帰ったら、下村直己って、調べてみて。今じゃなくて、家で。そしたら、分かるかもね。」


下村、直己?


諦めたのか脱力したように肩を下ろした。



でもなんか、聞いたことあるかもしれない、、、


「ほら、今は花火でしょ?終わっちゃうよ?」



私達はそのまままた花火を見るけど、




胸の突っかかりは消えない。



さっきみたいに花火を見るのに集中出来なかった。


花火を見ていても、頭に浮かんでくるのは、苦しそうな律希の顔。



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