ねぇねぇ、聞いて。
「そっかー。夏休み終わる前に治せるようにしなきゃなー。」


そうだよ。


ここで、声を出せるようにしなきゃ意味無い。


お母さんにも、お父さんにもこれ以上迷惑かけられないし。



でも、やっぱり、ダメなんだ。



喉の奥になにか、詰まっているみたいで。


そんなこと考えているとあっという間に家の前に来ていた。



20分ってこんなに早いっけ?



「それじゃあ、またな。明日は用事あるから来れないけど。」



私はノートに送ってくれてありがとう。楽しかったよ!と書いた。



「そっか。じゃあ良かった。・・・・じゃ、またな!」



私は頷く。



律希が1人歩いていく、その後ろ姿がやっぱり寂しそうな感じがして。



私は律希が見えなくなると家の中に入った。


「あら、おかえりー!楽しかったかい?」


お風呂からあがったおばあちゃんがリビングでテレビを見ていた。



私はうんと頷く。



「それは良かったね。お風呂先に入っちゃいなさい。浴衣は干して置くから置いといてね。」


ありがとうと口を動かす。



私はそのままお風呂場に向かった。


そして、律希から言われたことを思い出した。


下村直己。


私は急いでお風呂に入って、自分の部屋に向かった。


そして、スマホで下村直己と検索する。


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