ねぇねぇ、聞いて。
仁華の家で別れて自分の家に帰ると、タイミング悪くお父さんがいた。


「お前はどこをほっつき歩いてんだ?そんな事しないで少しは勉強したらどうだ。」



まだ言うのか。


そんなこと。


「別にいいじゃん。どうせ来年になったら俺に自由はないんだろ?」


「・・・・分かってるじゃないか。少しは物分りがあって良かったよ。」


何なんだ。


なんで上から言われなきゃいけない。


俺は腹が立って自分の部屋に行こうと横を通り過ぎた。


「そう言えば。都会から来た女の子と一緒にいると聞いたぞ。どうせならその子と都会に出てきてもいいんじゃないか?どうせ、たいしたことの無い子だろ。」


大したことない?


一緒に出てこい?


何を言ってるんだよ。


こいつは。


自分の事を馬鹿にされたことより、仁華を馬鹿にしたのが許せなかった。


仁華は、・・・・関係ないだろうが。


俺は振り返ってあいつの胸ぐらを掴む。


「これ以上仁華を侮辱したらただじゃおかねぇーからな。ふざけるのも大概にしろよ。それから、お前の金儲けのために俺を使うのもやめろ。」


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