ねぇねぇ、聞いて。
そう言うと一瞬、頬に強い痛みが走る。


はぁ?


お前は自分が不利になると手しか出ねぇのかよ。


「お前こそいい加減にしろ。いいか、お前は・・・・・・お前は黙って俺の言うことを聞いていればいいんだ!!そうすれば、お前もメディアに出るようになって金が入る。それのどこが悪いというんだ!!」



「お前が勝手にメディアに出る分はいいよ!!でも、俺を無理に出そうとするなって言ってんだよ!!俺が出れば親子で凄いんだとかチヤホヤされて、メディアで取り上げられて、金が入る。お前はその金が欲しいだけだろうが!!俺はそんな金要らねぇ!!」


今まで我慢していた言葉が溢れだす。


もう、どうでもいい。


今言わなかったら後悔する。


あいつは俺をテレビに出させて、・・・・・自分の金にしてやろうと思っている。


あいつの金なんかになりたくねぇ。


あいつは何も言わずに家から出て言った。


何なんだよ。


俺は頭をガシガシかいて、自分の部屋で浴衣に着替える。

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