ねぇねぇ、聞いて。
「あっ、やっと来たよー。ほらほら、仁華ちゃん。ここに座ってよ。」


知らない男の子が私に座れという。


手には、ハサミやカッター。


ふざけるな。


私が逃げようと後ろを振り返るとまた違う男の子が2、3人。


嘘、でしょ?


そして腕を掴まれて椅子に座らせられる。


私は髪だけは切られたくなくて首を動かす。


手を離してもらいたくて、思いっきり振り切ると、スッと手に何かが当たった。


見ると、


腕から血が出ている。


すると例の女の子が驚いた顔をして騒ぎ出した。


「切る振りって言ったじゃない!?何本当に切ってるのよ!?」


「はぁー?俺らのせいじゃねーだろ?こっちが勝手に動くからじゃん。」


そんなこと言い合ってるうちにも手から血は止まらない。


私は立ち上がって教室を出る。


もう、


誰も信じられない。


人?


友達?


はっ?


誰も信じない。


私は、誰も信じられない。


私は学校から飛び出して近くの薬局に寄った。


自分で包帯を巻いて、処置した。


こんなの、どうってことない。


私の心にずっと思いっていたこと。


・・・・・・今の自分を変えたい。


もう、


意味もなく私だけがこんな思いをして、そんなの許せない。


髪だって、


心だって、


腕だって、


もう全部がボロボロだし、失うものなんてない。


私はスマホを取り出した。

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