ねぇねぇ、聞いて。
私が1人考えていると律希は言った。


「多分、仁華が思ってることで合ってるよ。小さい頃から、勉強しろってたくさん言われた。その中でも唯一楽しかったのはサーフィン。だから、おじさんには感謝してる。でも、あいつは昔から自分の利益しか考えていなかった。・・・・・中学校の時、あいつはテレビで、俺と同じ道に進まなかったら俺の息子じゃないって言ったんだ。」



俺の息子じゃない?


「それを見て俺は呆れたよ。今まであいつの思い通りに生きてきたんだなーって。昔から、金のことしか考えてないんだ。でも、その頃の俺は生き物とかそういうことに興味を持っていた。だから、ここの近くの高校に行きたいと思っていた。・・・・・でも、あいつは有名な学校に俺を入れるつもりだった。当たり前だよな。そうすれば自分の株も上がるんだから。」


時折見せる寂しそうな表情に私は胸が苦しくなる。


「でも、俺は反抗して絶対行かないって言った。自分の人生くらい自分で決めたいって。言ったんだ。最終的にいいと言ってくれたけどな。今はその学校に行ってるし。」

< 82 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop