ねぇねぇ、聞いて。
「でも、あいつは最後こう言った。絶対に俺と同じ道に進ませるからな。・・・・・俺がいくら逃げても、無理だ。最後は自分の地位や権力を使って大学に入れさせる気だ。そう思った。そう思ったら俺には自由な時間は高校しかないんだって思ってさ。それで適当に遊んだりしてた。・・・・・毎日毎日、くだらない。そう思うようになった。」


律希が抱えていた悩みは、思っていたより深刻でもっと早く聞けば良かったと思った。


ずっと、律希は悩んで苦しんでいたんだ。


たった1人。


自分の将来を自分で決められない。


決められないんじゃなくて、決めさせてもらえないんだ。


私は自分の悩みがちっぽけに思えてきた。


今思えば、いじめなんてあそこから離れたら全くないし、大人になればそんな過去いくらでも隠せる。


でも、律希は・・・・・・・・


これからの人生に関わってくる。


私は悔しくて、悲しくて、自分の拳を強く握った。

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