ねぇねぇ、聞いて。
「こんな話してごめん。仁華は気にしないで。俺の問題なんだから。どうせ、結局はあいつの思い通りになるんだ。」



それは、嘘でしょ?


律希。


本当は違うでしょ?


私は律希の手を取って違うと首を横に振った。


伝わる?


お願い、伝わって。


「・・・・・仁華は、好きなように生きてよ。ね?」


違う。


違うよ、律希。


律希も自分の好きなように未来を選ばなきゃ。


私はさっきまで持っていた枝をまた持ってそこに書く。


律希、諦めちゃダメだよ!!お父さんとちゃんと話さなきゃ!!律希、やりたいことあるんでしょ?なら、諦めちゃだめ。


「・・・・・・・・そんなこと言っても無理だから。・・・・・・・・あいつは俺のことなんてなんにも考えてない。」


そんなことない!!


「仁華に!!何が分かんだよ!!なんも知らないくせに偉そうなこと言うなよ!!」


律希が初めて怒鳴った。


私は驚くけど、律希の手を掴む。


「離せよ!!もう、これ以上何も言わないでくれ!!・・・・仁華は、仁華は、俺と違うんだからな!!ずっと、・・・・・・・幸せに暮らしてきた仁華にはわかんねぇよ!!」


ずっと、幸せ?


・・・・・・・・・そんなわけないじゃん。


< 84 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop