ねぇねぇ、聞いて。
幸せだったら、私ここに来てない。


お父さんや、お母さんに迷惑かけてない。


おばあちゃんに迷惑かけてない。


幸せ?


律希に初めてキレた。


自分だけが、自分だけが不幸だと思ってんなよ。


私は両手で律希の腕を掴んだ。


律希はびっくりして私を見る。


私は足に力を込めて踏ん張る。


出ろ、出ろ、私の声


「・・・・・っ、律希!じ・・・・・自分、だけ、が、不幸だと・・・・・ってんじゃ、思って・・・じゃねーよ!!だから、・・・そん、なん、だから!!何も、・・・・・変わろ、と、してない・・・・・からっ、変わらなっ、・・・・んじゃん!!」


途切れ途切れに出る私の、声。


あれ?


私、・・・・・・・・・・話せた?


話せてる?


「・・・・あ、・・・・れ?私、・・・せて、話せてる?」


急に怒鳴って、声を出したから体の力が抜けて、その場にしゃがみこむ。


「えっ!?ちょっ、仁華!?」


律希が慌てて私を支える。


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