小さなポケット一杯の物語
「そりゃぁ、一応許しをもらってきてるさ。そうだ!いい事を教えてあげる。あの世にも弁護士の様な人がいてさぁ。その人に言われちゃった。
『君には困ったものだ。普通の人なら“この人にはこんないい所があります。”とか、“こんなにいろんな人の心に感動を与えています。”とか弁護の要素がたくさんあるのに君にはそれがない。』
だって!
その上、七日毎にきちっと供養してもらえてないみたいで、家族や知り合いからも見離されちまったみたい。」

そう言って男は笑ってみせたが、私にはどこか寂しげに映って見えた。

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