小さなポケット一杯の物語
「おじさん、携帯貸してくんない?茜さんのお父さんにこれからそっちへ向かうって連絡を入れたいんだ。」

私は仕方なく携帯電話を差し出した。

「サンキュウ!おじさん、やっと物分かりがよくなってきたね。」

男はまた私をバカにしたように言った。

「私はまだ君を完全に信じたわけじゃない!」

「ホント頑固だね。」

男はそう言って笑った。
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