小さなポケット一杯の物語
「それで君は茜の未来を
見てきたというのか…。」

「そういう事。」

「君はそこで何を見てきたんだね?頼む!本当の事を言ってくれ。」

私はいつの間にかこの男を完全に信じ切っていた。

「おじさん!人は命が宿った瞬間にすでに寿命が決められているんだよ。人はその宿命を背負って生きているって事。」

男は相変わらずなかなか私の質問に対してすぐには答えてくれなかった。

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