小さなポケット一杯の物語
「そんな馬鹿な…。」

「おじさんは一番信頼できる人に頼んだんだろうけど、人間なんてそんなもんだよ。億の金が目の前に転がり込んできたら、変わっちまうもんさ。」

「それで茜はどうなっちまったんだ!」

「聞くまでもないよ。そのまま死んじまったよ。」

私は一瞬、親戚のやつらに対して怒りが込み上げてきた。が、そのホコ先はすぐに自分へと向けられた。
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