小さなポケット一杯の物語
「それだけは避けたい。そう思って俺は必死に頼んだよ。そしたら、一度だけチャンスを与えるって言うんだ!
俺は喜んだよ!で、何をしたらいいのかって聞いてみたら、今願い事が届いているからその願いを叶えてあげなさい。そうすればあなたにも善が与えられるでしょう。とね。
あの世では現世でのよい行ないを善と呼び、その数が多いほど裁判で慈悲を与えられるとされているんだ。
俺は善を一つでも与えてもらって地獄行きだけは免除されたかったんだぁ。
だから俺はそれを受けた。そして、願い人について調べていったんだ。
そしたら、愛する妻の命を自分の命を懸けてまで救いたいと願う夫がいた。
それがおじじさんだよ。」
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