小さなポケット一杯の物語
「時すでに遅しってやつだな。」

私は微笑んだ。

「まぁ俺の場合は生きている内に知っていてもたいして変わんなかっただろうけどさ。」

男は無邪気に笑ってみせた。

「本当にたいして変わらなかったと思うかね。」

私は、自分でも意外な程にこの男に興味を持ち始めていた。

< 116 / 148 >

この作品をシェア

pagetop