小さなポケット一杯の物語
「そうだったのか。…すまなかったなぁ。今まで。」

私は本当に申し訳ない気持ちになった。

「おじさん!お礼なんかまだ早いよ。茜さんがまだ助かったわけじゃないんだからさ。それに茜さんが助かった時にお礼を言うのは俺にじゃないよ。」

「いや。君と出会わなかったら私は死を選んでいた。そして、悔やんでも悔やみきれない思いをしていたに違いない。感謝してるよ。ありがとう。」

私は、自然と熱いものが込み上げてきた。

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