小さなポケット一杯の物語
「おじさん!」

私の背中に男の声が響いた。

「俺もおじさんと会えてよかったよ!ありがとう!生まれ変わったらおじさんみたいな大人になりたいよ。」

「また何を訳の分からない事を言っているんだ!」

私は振り返って叫んだ。

「俺!親父を知らないんだ。だから、おじさんの生き方をみてこんな親父の子に生まれたかったって思った。おじさんの心の中に残っていたかった!」

男は涙声になっていた。

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