小さなポケット一杯の物語
「茜の父親です。」

「茜の父親だって?何を言ってるんですか。茜の父親はとっくの昔に死んでいますよ。」

「それは、茜にとっては義父です。私と茜の母親は訳あって離婚してしまったのです。亡くなったのは再婚相手です。」

茜の父親だと名乗る男は、そう言うと、私に戸籍謄本と免許証を見せた。

「これで信じてください。もう時間がありません。後はこれを読んでください。」

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