小さなポケット一杯の物語
「お父さん。返事をしてください。お父さん。」

「お身内の方ですか?」

白衣を着た救急員が私に尋ねた。

「はい。妻の父親です。」

「一緒に行かれますか?」

「はい!お願いします。」

私は救急車に乗り込んだ。

「美愛病院への搬送をお願いしたいのですが…。」

「一番近いですし、先程確認した時に受け入れOKでしたから問題ないです。」

「ありがとうございます。」

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