小さなポケット一杯の物語
病院へ着くと運良く茜の担当医が出迎えてくれた。
「木下さん!」
先生は私を見て驚いていた。
「先生!事故にあったこの人は茜の父親なんです。助けてやって下さい。」
「井野さん…。」
茜の父親を見て先生はそう言った。
「先生!茜の父親を知ってるんですか?」
「急いでオペ室へ!」
先生はそう指示を出した後で私にこう言った。
「今は井野さんのオペに全力を尽くしますが、井野さんは先日茜さんの心臓と自分の心臓の適合性を検査しに来てたんです。」
先生はそれだけ言ってオペ室へと消えていった。
残された私は、先程手渡された封筒を思い出して懐から取り出した。
『木下賢司様』
そう書かれた横に、
『他の病院ではなく、私を茜の病院へ連れていって下さい。』
と書かれていた。その裏には力強い字で
『井野芳隆』
と名前があった。
私は、壁に押しつけられた長椅子に腰を下ろした後、封筒を開いた。
そこにはドナーカードと数多くの便箋が入っていた。
私はきれいに折り曲げられた便箋を取り出して、ゆっくりと目を通した。
「木下さん!」
先生は私を見て驚いていた。
「先生!事故にあったこの人は茜の父親なんです。助けてやって下さい。」
「井野さん…。」
茜の父親を見て先生はそう言った。
「先生!茜の父親を知ってるんですか?」
「急いでオペ室へ!」
先生はそう指示を出した後で私にこう言った。
「今は井野さんのオペに全力を尽くしますが、井野さんは先日茜さんの心臓と自分の心臓の適合性を検査しに来てたんです。」
先生はそれだけ言ってオペ室へと消えていった。
残された私は、先程手渡された封筒を思い出して懐から取り出した。
『木下賢司様』
そう書かれた横に、
『他の病院ではなく、私を茜の病院へ連れていって下さい。』
と書かれていた。その裏には力強い字で
『井野芳隆』
と名前があった。
私は、壁に押しつけられた長椅子に腰を下ろした後、封筒を開いた。
そこにはドナーカードと数多くの便箋が入っていた。
私はきれいに折り曲げられた便箋を取り出して、ゆっくりと目を通した。