小さなポケット一杯の物語
茜はその突然の質問に答えを用意してなかったから、うつむいたままでいたの。そしたら、

『あっ、ゴメンナサイね。嫌な事聞いちゃったみたいね。忘れて。』

優さんは気まずく思えたのか、照れ臭そうにしてたんだ。
茜は、きっと誰かに聞いて欲しかったんだと思う。
独り言でも呟くような声で自然と言葉を発してた。

『お兄ちゃん。死んじゃったの。』
って
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