小さなポケット一杯の物語
優さんはそう言うと神社の裏手に廻って、脚立を担いできた。

その時、雨が止んでる事に初めて気付いた。

『これなら届くんじゃない?』

優さんは少し息を切らせながらも、持ってきた脚立を満面な笑みでポンと叩いてみせた。

『私が下で押さえているから、今年も一番上に結んで!きっとお兄さんも見てるから!』

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