小さなポケット一杯の物語
結局、そのお客さんには茜が謝りにいく事になったのね。
『お客さま。大変お待たせしてすいません。当方で手違いがありまして、後からきたお客さまの方にお客さまの商品を先に出してしまいまして、今お作り致しておりますので、もう少々お待ち頂いても宜しいでしょうか。』

茜はかなり頭に来てたんだけど、お客さんの前では平静を装ったわ。
そうしたら、そのお客さまはいい人で、

『大丈夫ですよ。急いでませんから、気にしないで下さい。』

そう言ってくれたの。
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