小さなポケット一杯の物語
『うわぁ、美味しい』

それは、上品で濃厚な味付けだったの。
茜は一口一口をゆっくりと楽しんだ。

『ごちそうさまでした。とても美味しかったです。』

『それはよかった。
あっそうだ。デザートの代わりにお土産を差し上げましょう。』

木下さんはそう言うと、茜の皿の上にある鯛の頭にあるヒレの辺りから骨を取り出したの。

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