小さなポケット一杯の物語
『早坂さん!鯛の中にもう一匹鯛がいるって知ってますか?』
『えっ…もう一匹いるんですか?』

茜がそう言って驚いてたら、木下さんは握りこぶしを茜の目の前に差し出してゆっくりと開いてみせたの。
その中には鯛の形をした小骨がチョコンと乗ってたの。

『裏側にももう一匹隠れてるから探してみて下さい。自分の力で見つけられたら幸せになれると言われてますから頑張ってください。』


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