小さなポケット一杯の物語
第五章:二つ目の願い
大学を無事に卒業し、六月には地味ではあったけど結婚式も済ませたの。
全てが順調で幸せのはずだった…。
でも、お店の営業は上手くいかなかったんだ。   住宅地にお店があるせいか、平日はほとんどお客さんは来なかったの。
週末に常連さんで少し賑わう事はあっても、毎月赤字続きで家計は火の車だったの。
彼と一緒なら辛くても楽しい時期もあったけど、経営がうまくいかない事で、彼の暗い表情を見る事が多くなっていったの。
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