小さなポケット一杯の物語
確かに、一度いい思いをして心の満腹を覚えてしまうとまた満腹を求めるから腹の皮がどんどん大きくなって、心がゼイタクになってしまう。
優さんはな。心に着せる服には小さなポケットが一つあればいいそうだ。そして、それが一杯になったら皆に分けてあげるそうじゃ。そうすればまた新しい幸せを入れる事が出来るとな。』

『ごめんなさい。神主さんの言う通りでした。確かに最後の願いは叶っていたんですね。
今、気づきました。茜は、大きなポケット事に幸せを詰め込みすぎてたんですね。
それに押し潰されてしまっていたのに気付かなかった。
何もかも失っても、その分だけまた新しい幸せを入れられるって思えれば確かに未来が楽しみになりますよね。』

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