小さなポケット一杯の物語
茜はその時程、未来が楽しみに思えた事なかったの。

『こりゃあ、最後の願いは茜さんにとって最高の幸せを運んでくれるかも知れんのう。』

神主さんは声をあげて笑ってた。

『また優さんにあいたいなぁ会えるかなぁ。』

茜がポツリと呟くと、

『あぁ、会えるとも。』

神主さんは大きくうなづいてくれた。

『そういえば、優さんも、茜さんに会いたいと言っておったのう。』

『えっ優さんもですか?』

『あぁ。なんでも笹の葉でなく竹の木に短冊を結ぶのが気に入ったそうじゃ。』
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