小さなポケット一杯の物語
「おじさん。俺の話聞いてもまだ死にたい?」

男は突然核心をついてきた。

「君には関係ない。」

私は少し動揺していた。

「さっきも言った様におじさんに俺の人生がかかっているわけよ。おじさんもけっこう頑固だねぇ。しょうがないなぁ。どうせ信じないだろうけどもう一つ教えてあげる。実はさぁ、俺もう死んじまってんのよ。」

『えっ…。』

私はこの男の訳の分からない言葉に驚いた。

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