ホットケーキ!
校内で、体育館に向かう男子数人と澄翠とすれ違った。

「おい、さーちん!
体育館はあっち」

澄翠が話掛けてきたが、泣き顔を見せたくないので、立ち止まらず、進んだ。
そして、授業を受けられる気分でもないので、帰ろうとした。

「さーちん!」

澄翠は制服に着替えていた。

「小春に、日和との事、聞いた。
付き合っていた事、先に言っておけと怒られた。
女子はそういうの、気にするんだって。
…帰るの?」

「なんかもうしんどくて」

「じゃ、俺も帰る」

2人は教師に見つからないよう、こっそりと校門を出ると、笑いあった。

「これから家に来ない?
俺ん家、日中は誰もいないから」

さやかは少し考えたが、家に帰っても、お節介な母親がうるさいだけだし、澄翠の家に行く事にした。
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