「またね」って約束しよう
「…どこにいるの?」
「…お前を…探してる」
とりあえず目印になるような建物を言ってから、数十分。
「ジンっ…!」
近くのベンチに座っていた私の所へ走ってきてくれた彼。
そして、勢いのままキスをした。
「…ジ……んんっ」
角度を変えては離し、離しては変えて。
別れようと言ったのに、急にどうしちゃったの?分からない。ジンがますます分からないよ…。
「…美桜」
名前を呼ぶけれど、
その目は私を見てなくて…。
「…っん、ふ…ぁんっ」
舌が無理矢理割って入り絡ませる。距離を取ろうとするけれど、腰を抱かれその距離は広がることは無い。
優しさも気遣いもない、押しつけがましいジンのキス。
「ジンっ!!」
ようやく離れ、少しの距離を取って目を覚ましてと言わんばかりに叫んだ。
「…大声出すなや。いいかよく聞け」
ドスの聞いた声。
彼のイラついている時の声。
切羽詰まっている時の声。
どっちだろう…ううん、多分どっちも当てはまってる。
「…ま、待って!とりあえず家に帰ろう…?」
訳が分からないし、切り替えもできない。そんな私を知らん顔するジン。立って彼の袖を掴むと思いっきり振り払われた。