｢またね｣って約束しよう

余裕そうな声とは裏腹になんとも複雑そうな表情を見せていた。取り入ろうなんて思ってない。皆好きだけど、それは友達だと思っているから好き。



ヤヅキは…？


好きだけど、ルキの好きとは違ってて…でも、友達の好きだといいなって思っている自分もいる。



｢…そんな事、思って…んんっ！｣




ヨウの顔が近づいてきて、突然唇と唇が重なった。どうして女嫌いのヨウが、こんな事するの…？心の中でそう思っていても、キスのせいで言葉に出来ない。



ぎゅっと目を閉じると私の上にいるのは、キスをしているのは、ヨウじゃない気がした。
ここにあいつがいるわけが無い。



そう分かっているのに、体がこわばる。
押し付けがましいジンのキスと似ていて、ヨウがヨウじゃなみたいで、でももしかしたらこれがヨウなのかと、頭が混乱する。



やっと離された唇。安心する暇もなく、ヨウの手がカーディガンに伸びできた。その行動が理解できない程馬鹿じゃない。