「またね」って約束しよう

ヤヅキが見えなくなって家に入ると、静けさが全身を包んだ。




一人でいるには広すぎるリビングも、お風呂も、自分の部屋も全てが懐かしい。




昔はこの広さが嫌で、寂しくてジンの家に転がり込んだのに、今ではこの空間が落ち着く…なんて思った。




疲れを取るようにゆっくりとお風呂に入って、アイスを食べながらテレビを見て、髪を乾かして歯を磨いて布団に入る。




ジンと暮らす前はこれが普通だったのに、凄く寂しく感じた。人の優しさに触れるのは、いつぶりだろう。




あの温かさがらこの静けさを余計大きくする。




ヤヅキの最後の言葉が何をしていても離れない。また会えると言った彼の言葉を信じよう
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