ねぇ、俺の声聴こえてる?
*3*
翌日。
俺は彼女の後頭部を見つめながら考えていた。
昨日はとんだ失態をおかしてしまった。
この俺が女の子の扱いを間違えるなんて……。
自他ともに認める遊び人の女好きであるこの俺が。
そんなに取りたくないのかね、ヘッドホン。
音楽が流れてることは間違いないけど、音楽が好きだから聞いてるってわけじゃなさそうだ。
俺は授業なんてそっちのけで黒瀬との関係性の修正、そしてあわよくば進展できる方法を探した。
おっと、勘違いするなよ。
あくまで黒瀬と仲良くなりたいのは興味本意だ。
別に好きとか、そんな特別な感情があるわけじゃないぞ。
「ん~……、あ、」
閃いた。